世間をにぎわせた京大入試カンニング事件ですが、あっという間に仙台の予備校生が逮捕されるに至りましたね。法曹界では、偽計業務妨害の適用に違和感をおぼえるというむきもあるようです。どの法律で裁くかを考えるヒトも大変だね。語義だけで考えると、不正競争防止法違反がまさにしっくり!くるんだけどねぇ。ま、実際には全然違う法律ですけど。
そんなことより、僕がこの事件に接して思ったのは、今こそ映画『That'sカンニング!~史上最大の作戦?~』が無性に見たい!今見なかったらもう一生そんな気持ちにならないだろう、ということです。
「That'sカンニング」とは、安室奈美恵が唯一主演した1996年の映画である。将来的にも彼女が映画に主演するなんてことはもうないだろうから、今思えばすごく貴重な映像だと思う。
本作は、主人公の大学生グループとして、安室の他、山口達也(TOKIO)、山本太郎、荒木定虎(元祖おネェ的タレント)、宝井誠明、そして売れる前の藤木直人が歯の矯正器具も眩しい機械ヲタ役で出演していたという、豪華なんだかよく分からない布陣の映画であった。
彼ら演じる大学生が、様々なカンニング技を駆使して試験でオールAを目指すという内容なのだが、その方法がいちいち痛快なんである。
例えば、試験中に窓の外を見ると、チアリーディング部がチアの練習をしている。しかし彼女たちは、実は人文字で答えの化学記号をつくっていたのだ!とか、前に座ってるヤツのTシャツのバックプリントが実はステレオグラムになっていて、寄り目で見ると正解が浮かび上がるのだ!とか、「そんなバカな!でもひょっとしたらあり得る!?」としか言い様のない描写が次々に登場するのだ。
予備校生も、Yahoo!知恵袋なんてあざとく浅はかな手を使うくらいだったら、このくらい創造力を働かせる度量を持つべきだったのだ。多分、すぐにバレて全部落っこちるだろうが、そしたら京大なんか行かなくてもその発想力で十分食っていけるだろう。
何はともあれ「That's カンニング」である。今週忙しい合間を縫って必死でTSUTAYAをまわったのだが、結局レンタルDVDのリリース自体ないことがわかった[1]。う~ん、この熱が冷めないうちに観たい!実家には昔録画したビデオがあるはずなんですけど。