『日本人はなぜ「黒ブチ丸メガネ」なのか』が発売になりました。今回は、その制作のウラ話を書こうと思います。
今作は、メディアファクトリーさんの『空想科学文庫』レーベルから発売されています。そう、柳田理科雄さんの『空想科学読本』シリーズを中心とした文庫レーベルです。
『空想科学読本』は、実は僕が学生のころから愛読していたシリーズで、宝島社から出ていた最初の版から夢中になって読んでいました。今でも、本棚にある(コミックス以外の)本で一番多いのは柳田さんの本です。
だから『空想科学文庫』で、というお話を頂いたときには、めちゃめちゃ嬉しかったです。とても光栄ですという話を、最初の打合せでしたら、じゃあ挿絵も近藤ゆたかさんにお願いしましょうかというご提案を頂き、これもまた本当に光栄の至り。
今、できあがった見本を読んで、『空想科学読本』の編集さんに手がけて頂いて、近藤ゆたかさんの挿絵が載った自分の本というのが、なんとも不思議な感覚です。こんなこと『空想~』を夜中まで読んでた中学生の時に想像もしなかったと思うなぁ。
さて、本書は2006年にごま書房より発行した『日本人はなぜ黒ブチ丸メガネなのか』の文庫化です。ですが、相当加筆修正しました。感覚的には骨組みだけ残して全部書き直した思いです。純粋に文章としても、6~7割くらいは書き換わっているのではないでしょうか。文庫化というよりリメイクと言っていいくらいの本になっていると思います。
当時はあれで全力で書いたし、またそれなりに評判もよく、営業面もわるくなかったと記憶していたんですが、今読み返すと恥ずかしい。若者が調子に乗って書き散らしてる感がすごい! 実際、24歳とかそのくらいに書いた原稿だからまさにその通りなんですが…。
間違いや誤植もいくつかあって、映画『ブレードランナー』の舞台を、堂々「近未来の東京」と述べていたり、いくらなんでもそりゃねーだろ!と自分で突っ込んでしまった。この予告編でも一目瞭然、キッパリ「ロサンジェルス」って言ってるじゃないの。まぁ、今そう思えることは自分が成長した証でいいんじゃないでしょうか。
そういうわけで直すところが多すぎて、当初は去年中に発売のつもりだったものが、今日になったものです。自分の至らなさによるものであります。
しかし時間をかけて編集さんにご指導頂いた結果、結構読み応えのあるものになってくれたのではないかなと思います。そうあって欲しいなぁと思っています。
日本人はなぜ「黒ブチ丸メガネ」なのか (空想科学文庫)
友利 昴 近藤ゆたか