ブログブログ by 友利昴

自分に関する記事を書いたものです。

ディフォルメされた日本の風景(『日本人はなぜ「黒ブチ丸メガネ」なのか』第二章の見所解説)

『日本人はなぜ「黒ブチ丸メガネ」なのか』。第二章は「ディフォルメされた日本の風景」のタイトルで、日本の風景に関する欧米人の印象を取り上げています。

映画などに描かれた、魅力的過ぎるネオン、デカ過ぎる富士山、強過ぎる武道、狭すぎる部屋、ハイテク過ぎるトイレ、ふしだら過ぎる混浴、正確過ぎる電車、混み過ぎるラッシュ…などといった、欧米人の過剰な誤解と偏愛をひも解き、分析を試みています。

個人的に思い入れが強いのは、シャーロック・ホームズの「バリツ」(『空家の冒険』、1903年)から連綿と受け継がれている日本武道世界最強説。それと、ハイテク過ぎる日本のトイレだ。

ハイテクトイレに対する外国人のリアクションには、本当に嬉しくなってしまう。フィクションに描かれた日本のトイレといえば、最近では『カーズ2』でレッカー車のメーターが味わった、液晶モニターによるガイド付き温水洗浄便座が記憶に新しい。あのモニター必要か? 監督のジョン・ラセターは、来日時に味わったウォシュレットの感覚が忘れられず、帰国後に自宅のすべてのトイレに取り付け工事を行ったのだという。のみならず自身の監督作品でもそれを描くとは、よっぽど気に入ったのだろう。

フィクションの中の日本のトイレもよいが、欧米のリアリティ番組は、欧米人の”生のリアクション”が楽しめてよりオススメだ。本書では、マニアック過ぎるという理由で割愛した。

セレブタレント、ケリー・オズボーンの日本短期滞在を追った『ケリー・オズボーンの私は日本人になる』では、ノズルから発射される水の軌道を見て爆笑するケリーの姿を見ることができる。ノズルの一連の動きを見た彼女の感想は興味深い。

 

ケリー「なんか(ノズルの動き)エロくない?→ ガーッハッハッハッハ!(爆笑) → これ、絶対お尻痛くなる!!」

 

また、アメリカの素人男女が日本式のゲームバラエティに挑戦する『I Survived A Japanese Game Show』には、ワイヤレスリモコン式のトイレが登場。「おい、みんな、このトイレ、リモコンがついてるぞ!」と大はしゃぎする陽気なアメリカ人の姿を見ることができる。やっぱり、もの珍しいんだねぇ。

ちなみに、参考文献として読んだ、TOTO社員、林良祐氏の『世界一のトイレ ウォシュレット開発物語』(朝日新聞出版)も面白かった。開発中、ビデの水圧調整の加減がどうしても分からなかった男性開発マンに対し、女性社員がこう言ったそうだ。

 

「あなた、その水圧、自分の目に当てられますか!?」

 

読者含め、デリケートゾーンのデリケートの意味を一瞬で実感させた女子社員のこの比喩力!!……この会社の製品は信用できる!確信したね、私は。ビデのボタン、今度一回押してみようと思います。 

日本人はなぜ「黒ブチ丸メガネ」なのか (空想科学文庫)
友利 昴 近藤ゆたか
友利昴

ケリー・オズボーン 私は日本人になる vol.1 [DVD]
B002KDZN2A

世界一のトイレ ウォシュレット開発物語 (朝日新書)
林 良祐
4022734159