ブログブログ by 友利昴

自分に関する記事を書いたものです。

アメリカ人のパールハーバー観と原爆観(『日本人はなぜ「黒ブチ丸メガネ」なのか』第五章の見所解説)

『日本人はなぜ「黒ブチ丸メガネ」なのか』第五章は「パールハーバーと原爆」というタイトルです。

真珠湾攻撃と広島・長崎への原爆投下を、アメリカの映画やドラマなどの大衆文化はどう描いたのか?をなぞり、そこからアメリカ人の真珠湾観、原爆観を推し量るという内容です。

ここは、書くのが難しかった!

第四章までは、バカなニンジャや、「日本男児なら、エロマンガくらい電車や会社で読むわ!」と言ってはばからないバカな映画の検証をしていたのに、最後に急にシリアスなテーマ……。

実は、映画などに表れた欧米人のミョーな日本観を探るうちに、そこにはしばしば戦時中のイメージが尾を引いているケースが見受けられて、触れずに通り過ぎるわけにもいかないだろうという気持ちになったのです。とはいえ、太平洋戦争全体を振り返ると、重すぎて楽しめる本ではなくなってしまう。そこで、パールハーバー」と「原爆」の2つのトピックにしぼること、政治的な思想とは距離を置いた、一般的な娯楽作品を取り上げることを念頭に書き上げました。

真珠湾攻撃を描いた映画といえば、マイケル・ベイ監督の『パール・ハーバー』が有名だ。これは、日本では評判が悪かった。40分も続く真珠湾爆撃シーンはひたすら悲惨で、対する東京報復空襲シーンはひたすら勇ましい。分かりやすく不公平な演出は、日本人が観て気分のよい作品ではなかった。真珠湾では日本は悪者一辺倒かぁ……と思ってしまうが、実はマイナー作も含めて様々な真珠湾映画を観てみると、意外と、真珠湾攻撃の振り返り方や、当時の日本の描き方には多様性があることが分かる。国防拠点としての真珠湾の評価、その後の日系人排斥の風潮に対する反省、日本人の軍人としての評価、自虐的なブラックジョーク……。こういう多面的な描き方を紹介できたことには意義があったと思う。

「原爆」は、これは感情をおさえながら書くのは大変だったなぁ。原爆投下を描いたアメリカの映画には、アメリカ人の原爆観というものがよく表れていて、それは日本人の原爆観とは全然違う。違いすぎて救いようのないオチになりそうだったところを、最後の最後で前向きな「いい話」に持っていけたのは、何度も直しながら、また直してもらいながら時間をかけたおかげかなぁと思います。

しかし本当に終章がこのテーマでよかったかなぁと、責了後も考え込まないでもなかったのですが、打ち上げでイラストの近藤ゆたかさんが「いっぱい話を盛り上げて、最後”しんみり”で締めくくるのは、日本っぽくていいですよ」ということを言って下さって、まぁ悪くないかなぁと思ったのでした。

日本人はなぜ「黒ブチ丸メガネ」なのか (空想科学文庫)
友利 昴 近藤ゆたか
4840143145

Sadako and the Thousand Paper Cranes (Puffin Modern Classics)
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ファイナル・カウントダウン【Blu-ray】(期間限定生産)
たまたま起こった謎の時空乱流で、最新空母が、真珠湾攻撃直前の真珠湾にタイムスリップ。その偶然がスゴ過ぎて、話が頭に入ってこない。

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