ブログブログ by 友利昴

自分に関する記事を書いたものです。

『シン・ゴジラ』と『ゴジラ(1984年版)』は両方観て比較すべきだ

 『シン・ゴジラ。凄かったですね。

これまでのゴジラシリーズと比べるのが全く野暮な「新・ゴジラ」であり「真・ゴジラ」であった。とにかく徹底的に巨大生物による災害という位置づけでゴジラを描いており、確立していたゴジラのキャラクター像は完全排除。ただの甚大災害。

キャラクターも何もない甚大災害である以上、ゴジラ側に感情移入する隙は一切与えられなかった。それにドキュメンタリーを意識したという演出が加わって、恐ろしく重い映画が出来上がってしまったのであった。

3.11東日本大震災の当日を思い出す。職場のテレビで、道路を走っていく自動車が津波に呑まれていく様をヘリ空撮したニュース映像から目が離せなかった。語弊があるかもしれないが、観ててその時に近い感情が呼び起こされた。息を呑むしかなくて何も喉を通らない感じ。実際、鑑賞前に買った時は「めちゃめちゃ小せぇなコレ……」と文句を言った小袋のポップコーン(580円)を二時間かけても完食できなかったからね僕は……。

 

政治ドラマも良かった。過去作品と比べるのは野暮と言いつつ1984年版の『ゴジラ』(監督/橋本幸治)と比べたくなる。漂流船から始まる物語や、米国の関わり方は『84ゴジラ』をけっこう思い出させる。ネタバレしたくないからあまり言わないけど、ホントに要所要所のシンクロ率が割と高いんですよ。 

『84ゴジラ』も政治とゴジラの関係を比較的描いており、リアリティを付与していた。しかし同じ課題に直面していても、84ゴジラの総理とシン・ゴジラの総理は全然違う!『シン・ゴジラ』を観た人は、84ゴジラにおける日本政府の記者会見の様子や米国への態度を比べてほしいですね。以下の予告編で大体分かりますけど。84の総理(小林桂樹)もいいのだが、『シン・ゴジラ』の方が圧倒的な説得力を持っている。84ゴジラの総理は変なところで泣くのである。でも面白いですよ。

 

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