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『オリンピックVS便乗商法―まやかしの知的財産に忖度する社会への警鐘』目次・小見出しを一挙公開!

友利昴『オリンピックVS便乗商法―まやかしの知的財産に忖度する社会への警鐘』の目次、小見出しを一挙公開いたします。

本書全体としては、オリンピック組織が推進する「オリンピックにまつわる表現に対する規制」(アンブッシュ・マーケティング規制)の是非オリンピックと便乗商法との攻防について書いています。

日本だけでなく世界各国の具体的事例の紹介(第1章)、その背景(第2章)、法的な位置づけの整理(第3章)、法律を超えたオリンピック組織の規制テクニックの紹介・変遷・そして対抗策(第4章)、オリンピックを保護するための法律の実態とその是非(第5章)、1964年東京オリンピックの時にも存在した表現規制問題の掘り起こし(第6章)、と盛りだくさんな内容になっています。できるだけ事例中心で、理解・イメージしやすい筆致を意識しています。以下、目次をご覧ください。

 

まえがき――応援し、祝福していただけなのに、ある日突然クレームが来る?  

第1章:便乗商法―アンブッシュ・マーケティング―とは何か 
スポーツイベントに乗じた盛り上がりが規制される/オリンピックの成功を祈ったら処罰/SNSでオリンピックについてつぶやくのは禁止/スタジアムに広告を持ち込めばガムテープでぐるぐる巻き/アンブッシュ・マーケティングの誕生/非スポンサーがスポンサーに仕掛けた広告戦争/アンブッシュ・マーケティングは「寄生虫」だ/1996年―アンブッシュ戦争勃発/ジェリー・ウェルシュの敗北/進化した確信犯型アンブッシュ・マーケティング/確信犯はクレームに屈しない/無用なトラブルを避ける日本企業/ボランティアの豚汁も禁止/善意を踏みにじるアンブッシュ規制

コラム(1):スタジアムはガムテープだらけ? クリーン・ヴェニューの原則 

 

第2章:なぜアンブッシュ・マーケティングを規制するのか 
「スポンサー的な問題」とは何か/スポンサーがいないとオリンピックはできない/「一業種一社契約」という劇薬/スポンサー特権への恨みがアンブッシュ・マーケティングを生んだ/一業種一社契約のパラドックス/「オリンピック選手にパンを売るな」と言えるか/スポンサーの独占権を守るという決意/知的財産権侵害という印象操作/「ご注意ください」と「許されません」/オリンピック憲章は「憲法」か

コラム(2):もうひとつの収入源「放送権者」への過剰配慮 

 

第3章:知的財産権でオリンピック資産は独占できるか 
聖火リレー著作権で保護できない/オリンピック・シンボルは著作権フリー?/買い取れなかったポスターの著作権/写真はいいが、動画をアップしてはいけない/ほとんど他人に取られていた商標権/「がんばれニッポン」の商標権を30万円で買い取れ/ニッポンを応援したら商標権侵害か/「TOKYO 2020」商標登録の不可解な経緯/応援うちわにオリンピック・シンボルは商標権侵害か/「がんばろう日本!」は商標権侵害か/「オリンピックを想起させるに過ぎない用語」は知的財産権では保護されない

コラム(3):オリンピックは普通名称か?(1) 

第4章:法を超えるアンブッシュ・マーケティング規制
ボーダーラインの「○○リンピック」/規制したいが法的に白黒つけられると困る/5つの円はオリンピック・シンボルの盗用だ!/オリンピック組織の警告パターン分析/警告への反論と受け流しのテクニック/世間の同情を集めてオリンピック組織に反撃/「『おめでとう東京』もアウト」の衝撃/オリンピック組織に忖度する広告業界/判断を放棄するJARO/オリンピック表現自粛ムード/レストランでブラジル料理も出せない/アンブッシュ=社会的な悪ではない/法に従わない者に従うことが無難なのか

コラム(4):オリンピックは普通名称か?(2)

 

第5章:アンブッシュ・マーケティング規制の最終手段
法律がないなら法律をつくればいい/ゲイ・オリンピック事件/オリンピック・シンボルと赤十字マークの違い/オリンピック保護条約の実態/アンブッシュ・マーケティング規制法の誕生/オリンピック連想権/なぜオリンピックだけを特別扱いするのか/オリンピックに来てほしければ、オレ様のための法律をつくれ

コラム(5):2020年東京大会とアンブッシュ・マーケティング規制法

 

第6章:1964年から学ぶ、アンブッシュ・マーケティングとの向き合い方
立法運動の胎動と、それを無視する社会/商魂の五輪マークへの攻勢を食い止める/矛盾する使用規制と資金調達/「よくわからないが、使用してもよいのではないか」/オリンピック組織に反発する広告業界/一足のラバーシューズが潮目を変えた/「女のパンティ」がスケープゴートに/年賀状にもオリンピック・シンボルは描かせない/「立法化はオリンピック・ムードを壊すおそれがある」/オリンピック保護法の廃案/使用自制は「お上が望んでいる」こと/JOC、訴えられる/自粛ムードはあったのか?/あっぱれ!「五ビンのマーク」/オリンピック・シンボルに拘泥しなくても/自粛と分別は違う/アンチ・アンブッシュ化する社会に向けて

あとがき――われわれは法を敗北させてはいけない

友利昴「オリンピックVS便乗商法―まやかしの知的財産に忖度する社会への警鐘」