【新刊】約15万件の商標から厳選!『明治・大正のロゴ図鑑―登録商標で振り返る企業のマーク』
新刊『明治・大正のロゴ図鑑―登録商標で振り返る企業のマーク』(作品社)が発売になります。明治時代後半(概ね明治30年頃)から大正時代にかけてのロゴマークを、日本の登録商標の記録から紐解く、という図鑑です。
明治時代、大正時代のポスターや広告、看板デザインなどを集めた本は、近年の?レトロブームもあって結構たくさんあります。例えば、『新装版 昭和モダン 看板デザイン 1920s-30s』(青幻舎ビジュアル文庫)、『明治・大正・昭和の変な広告』(河出書房新社)、『大正昭和レトロチラシ』(青幻舎)などは面白かった。一方、本書は「登録商標」を切り口に当時のロゴマークを振り返るという趣向です。
この切り口のいいところは、ポスターや広告を眺めていても滅多に出会えない「激レア」なロゴマークに出会えることです。明治・大正時代に、後年にまで残るようなメディア露出ができた事業者は、ほんの一握りの大手企業です。多くの事業者のロゴマークは、実はそうしたメディア史には名を残していないのです。

インクの染みをモチーフにしたロゴマーク。前衛的過ぎる。
その点、商標登録は、事業者の業種や規模を問わず、自社のロゴが真似されないように、あるいは自社のロゴの使用が脅かされないようにという保護の目的で行うものですから、かなり網羅性があるんです。果たして、類書には見られない、見た事もないような奇抜なロゴマークが多数収録されています。しかし、これらは確かに、当時存在し、このロゴをデザインした人がいたのです!
好評重版となった『江戸・明治のロゴ図鑑』の続編ですが、『明治・大正』から読んで頂いても問題ありません。前作の時代と、この時代のロゴマークの違いのひとつとして、ロゴマークが急に「時代と寝る」ようになったことが挙げられます。
江戸時代や明治時代初期は、創業者の家紋に代表される、その家、事業者の「こだわり」が表れたロゴが多かったのですが、時代が下ると「今、こういうデザインが流行ってるから」「今、時代のムードはこうだから」という、周囲の空気をうかがうようなデザインが増えてるんです。

復興支援マーク?関東大震災直後の商標
例えば、大正時代初期には「キューピー人形」ブームがありましたが、そうするとキューピー人形をモチーフにしたロゴマークがわんさか出る、といったようなことです。そのなかで生き残ったのが、今日の「キユーピーマヨネーズ」のロゴだったりするのですが、こうした有名企業のロゴにまつわる逸話や事件簿なども紹介しています。
とにかく、今では考えられない、「この時代ならでは」の激レアなロゴマークたちを、ぜひ、お楽しみください。

全裸にハイソックス姿のキューピー
友利昴『明治・大正のロゴ図鑑―登録商標で振り返る企業のマーク』(作品社)
友利昴『江戸・明治のロゴ図鑑―登録商標で振り返る企業のマーク』(作品社)
2025年の出版・寄稿・講演・イベントを振り返ります
最近、たまたま、かなり単発の記事執筆、講演の依頼が続きました。スケジュール管理には問題がないのですが、事後の振り返りをする暇がなかなか取れず、自分がいつ何をやったのかの実績管理が覚束なくなってきました。
本来私は、ひとりで何万字以上の長文を家で書いているのが、一番好きな時間です。コミュニケーションスキルについての講演をしたりしていますが、それは身に着けたスキルでして、実はインドアな性格なんですよね。
しかし、わざわざお声かけ頂いたのであれば、なるべく自分の専門分野とスキルの範囲で、ご協力したい、貢献できればと思っています。そんなモチベーションでお受けしていたら(分野やスケジュールなどの問題で受けられなかったものもありますが)、結構、やったことがないことにも挑戦することができました。
生放送の討論番組なんて出て大丈夫かな、とか、学会発表なんて引き受けて大丈夫かな、とオファーを受けた瞬間には、思わなくもない案件もありましたが、やってみたらそれなりに大変ですがどれも有意義でしたし、なんとか貢献できましたね!(なんとかなってましたよね?)
ようやくひと段落をしたところなので、2025年の覚書、といった趣旨で、活動記録を振り返っていきたいと思います。この他、企業様向けのクローズドの社内研修なども担当させていただきました。

- 2025年1月
■《出版》『江戸・明治のロゴ図鑑―登録商標で振り返る企業のマーク』が重版出来
■《寄稿》「弁護士JPニュース」で記事4本執筆。内、「“市松模様”が権利侵害…仏『ルイ・ヴィトン』“仏具店”に言いがかり!?」が400万PV以上を記録
■《寄稿》『Lawyers Guide 2025』一部取材・執筆 - 2025年2月
■《講演》発明推進協会「企業知財担当者のためのコミュニケーション術」(2025年2月5日)
■《講演》農林水産省「令和7年 農林水産研究における知財マネジメントセミナー《特別講演》少人数知財担当者でも成果を出す秘訣」(2025年2月14日)
■《講演》読書人「時代を超えた企業の顔 明治VS平成ロゴ対決」(2025年2月18日)平成レトロの第一人者・山下メロさんと
■《寄稿》「弁護士JPニュース」で記事1本、インタビュー記事2本。 - 2025年3月
■《出版》『エセ著作権事件簿―著作権ヤクザ・著作権厨・パクられ妄想・トレパク冤罪』が6刷出来 - 2025年4月
■《寄稿》『三田評論』(慶應義塾出版会)2025年4月号「日本のロゴマークのあけぼのを訪ねて」 - 2025年6月
■《出版》『エセ著作権事件簿―著作権ヤクザ・著作権厨・パクられ妄想・トレパク冤罪』電子書籍版配信開始
■《寄稿》「弁護士JPニュース」で記事3本掲載 - 2025年7月
■《寄稿》『週刊読書人』(2025年7月4日号)インタビュー書評「友利昴氏に聞く『日本知的財産史事典 トピックス1868-2024』(日外アソシエーツ)の魅力 知財史、産業史、メディア史、文化史 近代以降の歴史のミッシングリンクを埋める事典」
■《寄稿》「弁護士JPニュース」で記事5本掲載 - 2025年8月
■《出版》『エセ商標権事件簿―商標ヤクザ・過剰ブランド保護・言葉の独占・商標ゴロ』電子書籍版配信開始
■《寄稿》『Lawyers Guide 企業がえらぶ、法務重要課題2025』一部取材・執筆
■《寄稿》「弁護士JPニュース」で記事2本掲載
■《寄稿》「現代ビジネス」で記事3本掲載
■《寄稿》「WEB女性自身」でインタビュー記事1本掲載 - 2025年9月
■《寄稿》「WEB女性自身」でインタビュー記事1本掲載 - 2025年10月
■《講演》発明推進協会「企業知財担当者のためのコミュニケーション術」(2025年10月7日)
■《出演》ABEMA Prime「【トレパク騒動】模倣の境界線って?トレース自体は悪じゃない?オマージュとの違いは?」(2025年10月16日)YouTuberのペガサスハイドさんと
■《寄稿》『週刊読書人』(2025年10月17日号)「書評『世界は知財でできている』(稲穂健市)」
■《講演》知的財産教育財団「知財マインドをキャリア形成に活かす秘訣」(2025年10月19日)
■《監修》日本能率協会マネジメントセンター eラーニングライブラリ「そのうっかりはリスキーです!ビジネスで必要な著作権を理解する」監修
■《寄稿》「弁護士JPニュース」記事3本掲載 - 2025年11月
■《講演》中央経済社「ビジネス法務『ロゴとネーミングの法律』出版記念イベント」ゲスト(2025年11月5日)著者の岡村太一さん、西川康一さんと
■《講演》岩手県「少人数知財担当者の悩み 企業知財のプロが全部答えます」(2025年11月13日)
■《出演》ABEMA Prime「“なみえ焼そば”騒動で考える商標権問題」(2025年11月18日)平成レトロ商標問題を鮮やかに解決した山下メロさんと
■《講演》日本知財学会「第23回年次 学術研究発表会『企画セッション 再考:棋譜の利用と不法行為』」(2025年11月30日)弁護士の椙山敬士さん、横浜国立大学准教授の末宗達行さんと - 2025年12月
■《講演》日本弁理士会関西会「現場が抱える『著作権の困り事』の解きほぐし方(2025年12月5日)
■《講演》大阪工業大学「企業知財部という仕事のリアル」(2025年12月19日)
忙しいはずだこれは。2026年は新刊『明治・大正のロゴ図鑑―登録商標で振り返る企業ロゴの歴史と発展』(作品社)の刊行が控えています。本書の執筆に関しては、主に4月から8月くらいまで取り掛かっていました。冒頭に書いた通り、本当はもっとこういうじっくり執筆に時間をかけたいところです。
【電子書籍解禁!】エセ著作権事件簿&エセ商標事件簿
少し前から『エセ著作権事件簿』『エセ商標権事件簿』が電子書籍化解禁になっています。このシリーズは、おかげさまで、普段、本をあまり読まない層の方にも関心を持って頂いており、小さい書店からも注文がよく来るそうです。また、刊行当初から、「電子化の予定はありませんか?」「電子書籍はありますか?」というお問い合わせを、私宛に頂くことも多かったのです。
その度に、私は「すみません。版元の方針で、電子化の予定は今のところないんです。ぶ厚い本で恐縮なのですが、よろしければ書籍の方のご購入をご検討いただければ嬉しいです」(誇張しています)と、丁重に対応していましたが、心の中では「オレの決めることじゃねーーーーーーーー」と叫んでいたのです(誇張しています)。
しかし、落ち着いてよくよく考えると、権利的、契約的には自分が決められることではありました。このシリーズは、前も書きましたが世間でエセ著作権事件が起きるたびにニーズが喚起されて、瞬間風速的に売り切れてしまうことがあるので、なんとか在庫切れリスクを減じられないかなぁと思うところもあり、電子化を考えるようになったのです。
今や、セルフパブリッシングで、自分で電子化をアレンジして配信されている作家さんも多いのですが、自分の場合、時間や手間や取引関係などいろいろを考慮して、結局、現状は版元を通してお願いするのが一番いいと考え、パブリブさんに相談してアレンジしていただくことになりました。
というわけで、パブリブさんの協力のおかげで『エセ著作権事件簿』『エセ商標権事件簿』ともに電子書籍として買えるようになりました。Amazon Kindle、楽天Kobo、Kinoppy他各プラットフォームで配信中です。もちろん書籍派の方も引き続きお楽しみください!
電子版には、音声読み上げ機能がついており、これが自分で聞いてて笑ってしまう。「強欲坊主の大暴走と言ってよい事件だ」「いや、半分近く違う曲じゃねーか」「もう少し、費用対効果ってヤツを冷静に考えた方がいい」などの、真理を鋭く突いた筆致が、平坦な電子ボイスで読み上げられていて最高です。こりゃ、Audible版も待たれるか!?
ちなみに他の本の電子化も基本的に版元に任せていますが、現在のところ『職場の著作権対応100の法則』がAmazon Kindle、KADOKAWAブックウォーカー、U-NEXT他各プラットフォームで配信中。
『知財部という仕事』『企業と商標のウマい付き合い方談義』が、法律書サブスクサービスのBusiness Lawer Library、Legalscape、TKCローライブラリーで配信中です。
そして、電子書籍化を記念して、「現代ビジネス」にて、『エセ商標権事件簿』より「アディダス三本線事件」、「クリスチャン・ルブタン事件」、「市松模様の数珠袋事件」と、有名ファッションブランドが巻き起こしたトンデモ事件簿を再編集して配信しています。アディダス事件は、書籍出版後の最新エセ商標権事件についてもフォローアップしてます。合わせて読んでみてください!
友利昴『エセ著作権事件簿―著作権ヤクザ・パクられ妄想・著作権厨・トレパク冤罪』(パブリブ)
友利昴『エセ商標権事件簿―商標ヤクザ・過剰ブランド保護・言葉の独占・商標ゴロ』(パブリブ)



