ブログブログ by 友利昴

自分に関する記事を書いたものです。

日本人のキャラクターとは?(『日本人はなぜ「黒ブチ丸メガネ」なのか』第一章の見所解説)

「日本人はなぜ「黒ブチ丸メガネ」なのか」。第一章は「日本人のキャラクター」と題して、日本人の性格や見た目に関する、欧米人のいわゆるステレオタイプなイメージがどこから来て、どのように変わっていったのか、という話をしています。

タイトルにもなっている『日本人はなぜ「黒ブチ丸メガネ」なのか?』という問いに、真っ向から立ち向かった点にはこだわりがありました。

新書などで、『○○はなぜ××なのか?』というタイトルの本、多いじゃないですか。でも読んでみると、そのクエスチョンに対する肝心の答えが載ってない!あるいはぼんやりしている!なんてことが多々あります。そういう思いをさせたくなかった!という熱い気持ちを汲んで頂ければ幸いです。その答えは本書を読んで頂きたいわけですが!

ところで執筆中に驚いたことがありまして。テレ東の『ジョージ・ポットマンの平成史』という深夜番組がありまして、これ僕割と好きでしばしば観てたんです。ちょうど本稿を書いていたときに、『美女メガネ史』という回があって、これが、どうも、2006年に出した本書の親本を参考文献にしているんじゃないかと思われた!親の欲目かもしれませんが、「明治初期にダテメガネ礼賛の風潮があった」、「A級戦犯の7割が黒ブチ丸メガネ」などのくだりが結構かぶってる!引用文献もかぶってたし。これは参考にして頂いたんじゃないかと思わざるを得ない。いや全然いいんですよ。好きな番組に参考にして頂いたと思うと嬉しかったです。

文庫版で追加したトピックとして、「日本人はどれほど秩序と礼節を重んじるか」というテーマがあります。東日本大震災のとき、海外メディアが「あんな災害が起きた中でも日本人はきちんと並んで給水を受けている!暴動が起きない!」という驚きをもって報じた記事があって、それが日本に伝わると、その頃打ちのめされていた日本人は幾分勇気づられましたね。アメリカでは、こうした記事は「倫理とは何か?」という問題提起になったようで、あのマイケル・サンデル教授もこれで一本講義をしています。

そういう話は、色々なところですでにされていますし類書も多いので、本書では少ししか触れませんでした。その代わり、そうした「秩序と礼節を重んじる日本人」というイメージがどのくらい昔から存在し、どのように描写されていたのか、という点に重きを置きました。文明開化以前の日本に入港し、開口一番ボロクソな悪態をついていた旅行家が、日本人の礼儀に触れるや否や最大限にベタ褒めしているなど、その辺のギャップは書いてて面白かったですね。

個人的にも、礼儀とか秩序というのは、文明社会において一番大切な心がけだと常々思っているので、こういうところが「国民性」として捉えられていることは素直に嬉しい。同時に、ひとりひとりがそこを意識して、これからもこのイメージは守っていかなければないけないな、と思います。 

日本人はなぜ「黒ブチ丸メガネ」なのか (空想科学文庫)
友利 昴 近藤ゆたか
4840143145

ジョージ・ポットマンの平成史 vol.4 [DVD]
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